健康経営とは、社員の健康面に配慮した経営を行なうことで、労働意欲や生産性の向上を図り、結果的に経営上のメリットにつなげる取り組みのことを指します。でも、みなさんの中には、そもそも健康経営を行なうことでどんなメリットを得ることができるのか、疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、健康経営を行なうことのメリットと、それを実現するための方法、さらには、経営を行なう上で健康経営は必須の要素になるのかということを検証していきたいと思います。

健康経営を行なうことのメリットとは?

冒頭でもお話ししましたが、健康経営は社員の健康面に配慮した経営を行なうことで労働意欲や生産性を高め、結果的に経営上のメリットにつなげる取り組みのことを指します。そのメリットとは、以下の3つになります。

・医療費のコストを削減できる
社員が肉体的・精神的に健康になることは、病気になる回数が減ることにつながります。病気になる回数が減ると、当然病院に行く回数も減りますよね?その結果、会社側としては医療費の負担を抑えることができるようになります。

・リスクマネジメントにつながる
糖尿病などの生活習慣病やうつ病などのメンタルヘルス不調は、社員のモチベーションや生産性の向上を妨げてしまいます。その上、経営に大きな影響を与えてしまうこともあります。しかし、社員の健康面に配慮することで、こうした病気を予防することができ、それが結果的に経営を行なう上でのリスクを防ぐことにつながります。

・企業ブランドの価値を向上できる
実は、株式市場では“健康経営銘柄”という株式が発行されています。これは健康経営に優れた会社を投資家に紹介する取り組みのことを指します。そのため、健康経営に取り組むための体制を構築したり、実現するための施策を実行したりすることは、会社の価値を向上させることにつながるのです。

健康経営を実現するための方法は?

健康経営を行なうことのメリットを認識したところで、みなさんの中には「どうすれば健康経営を実現することができるの?」と、疑問をお持ちになる方もいらっしゃるでしょう。ここでは、健康経営を行なうための方法について簡単にご紹介したいと思います。

健康経営を実現するには、大きくわけて3つの方法があります。それは「社員の健康状態を把握すること」「健康の正しい情報を社員に伝えること」「健康づくりを促進すること」です。以下でご説明していきます。

まずは、「社員の健康状態を把握すること」です。一番わかりやすいのが健康診断です。この時に、「健康状態はどうなのか」と、社員の体の状態を正確に認識しておくようにしましょう。そして、もし体のことで改善するべきところがあれば、会社から対策を実施していくようにしましょう。

次は「健康の正しい情報を社員に伝えること」です。これは、たとえば社員食堂のメニューにカロリー表示をしたり、新たに産業保健スタッフを雇い健康指導を行なったりし、会社から社員に健康であることの大切さを伝えていくことを指します。

最後は「健康づくりを促進すること」です。たとえば、会社で部活動を始めたり、定期的にマラソン大会に参加したりし、社員に日頃から運動する習慣と、その場所を提供していくようにしましょう。

以上、健康経営を実現するための方法をご紹介しましたが、ご説明したこと以外にも、「社員のメンタルヘルスケア」を行なうことも、健康経営を実現する上で大切になります。ぜひ、参考にしてくださいね。

健康経営は今の時代、経営を行なう上で必須?

健康経営は、結果的に経営上のメリットにつながります。そして、それを実現するためには、さきほどご紹介した方法を地道に進めていくことが大切になります。そんな健康経営は、今の時代、経営を行なう上で必須の要素になるのでしょうか。ここでは、健康経営を行なわなかった場合のリスクから、その重要性を確認します。なお、ここでご紹介するのは一例であることをご了承ください。

さきほどもお話ししましたが、健康経営にはさまざまなメリットがあります。一方で、健康経営を行なわなかった場合には、そのメリットがリスクに変わる可能性も出てきます。

つまり、社員が病気になりやすく通院の回数が増え、会社で負担する医療費が増大したり、生活習慣病やメンタルヘルス不調となり、モチベーションや生産性が下がったり、株式市場の評価を上げられず、企業価値を向上させることができなかったりすることになるかもしれないのです。さらに、最近では労働環境の問題が、よくニュースで取り上げられるようにもなっています。

そうした点を考えてみると、経営を行なう上で健康経営はとても重要な取り組みであるということが言えます。また、よりよい社内環境や、さらなる成長を実現したい会社にとっては、必須の要素になりえると言うこともできるでしょう。

まとめ

健康経営は、会社にさまざまなメリットを与えてくれます。そのため、これからも健康経営に取り組む会社はどんどん増えてくると考えられます。まだ、健康経営に取り組んでいない方は、ぜひこれを機会に会社に取り入れてみてはいかがでしょうか?