「オフィスではずっと座りっぱなしのデスクワークだから、終業後には靴下の跡が残っちゃうくらい脚がむくんでいる…」という方も今の日本には多いのではないでしょうか。

そもそも体のなかでどういうことが起こって脚がむくんでしまうか、知っていますか?むくみというのは、血流が体の一部分に滞ることが原因と考えられていて、座りっぱなしだと、脚の血流が悪くなるのでむくんでしまうと言われているんですね。

また、座りっぱなしの結果、腰痛になってしまったという方もきっといますよね。これは座りっぱなしだと腰まわりを支える筋肉が衰え、腰にかかる負担が大きくなってしまうことが原因だそうです。このように、一日中デスクワークをするという方は意外と健康リスクを抱えているのです。

デスクワークの健康リスクについて

前述したように、座りっぱなしのデスクワークでは、むくみや腰痛などの健康リスクが高くなります。座りっぱなしだと、大きな筋肉を動かす機会がなかなかないこと、さらに足元に向かって体が曲がっているために、おしりの部分で血流が滞ってしまうことが大きな危険の理由だと言われています。

体を動かすことで筋肉が動き、血流がよくなり、老廃物が体の一部分に溜まらないようにしてくれるのですが、座っている姿勢ではこれがなかなかうまくいきません。特にデスクワークでは頭をよく使うのにも関わらず体全体の血流は悪いので、神経に負担がかかってしまい、頭痛になってしまう方もいます。更にひどい方ではなんと自律神経失調症になってしまう人もいるそうです。

また、デスクワークの人が腰痛になってしまうのは、体をあまり動かさず、筋肉が衰えた結果、腰にかかる負担が大きくなることが原因だと考えられているというのは先ほどのお話の通りです。
筋肉が使われないと脂肪がついて、肥満の原因にもなりますし、その脂肪が更に腰への負担をかけてしまうという負の連鎖が続いてしまいます。更に、血流が悪いことで疲労物質も溜まりやすくなってしまうことから、疲れが抜けにくくなってしまうこともあるそうです。

座りっぱなしで起こる弊害について

腰痛や頭痛、むくみに限らず、座りっぱなしの姿勢が原因で発症するものとしていくつかの病気が想定されています。例えば、自律神経失調症になってしまうと、頭痛やめまいなどの症状に悩まされることになります。

体を動かさないでいる結果として代謝が悪くなることにより、肥満体になり、腰痛が更に悪化することもありますし、ひどい場合は糖尿病にかかるリスクもあるのです。

大きな筋肉を動かさずに血流が滞ることにより、心臓にも負担がかかります。心臓に負担がかかると、心筋梗塞などの心臓疾患のリスクが高まります。腰痛や頭痛でもその回数が増え、慢性的に起こるようになると、痛みがひどくなることにより集中力が途切れ、仕事にも影響を及ぼすことだってありますよね。デスクワークの方が健康リスクを気にして仕事前や仕事終わりにどれだけ運動をしたとしても、蓄積された疲労等はなかなか取り戻すことができないと言われています。仕事中でも少しずつ体を動かすことを心がけましょう。

デスクワークの方が最低限心がけること

まずは座ったままの姿勢でも軽く運動をするなど、出来そうなことから取り組んでみましょう。簡単なところでいうと、足を組むのをやめる、猫背にならないように心がける、デスクに肘をつかない、座っている時間が長いと感じたら立ち上がるなどであれば、すぐに実践できるでしょう。

ちょっとした運動を取り入れるなら、足の裏を床につけずに持ち上げたり下ろしたりを繰り返すのも有効です。膝から下を90度の姿勢から180度まで、上げたり下げたりするのも良いでしょう。椅子の背もたれに背中をつけない方がいいと思われがちですが、そのせいで猫背になってしまっては意味がありませんよね。

背もたれを真っ直ぐにし、その背もたれから背中が離れないようにすれば猫背になる心配は無いはずです。椅子とデスクの間を開けすぎると前屈みになりがちなので、間は大きく開けないように心がけましょう。疲れてきたら腰をひねったりすることによりリフレッシュするのも効果的でしょう。自分で意識的に動いたりすることが一番大切なのです。
また最近ではスタンディングデスクも流行っています。ずっと座って仕事をしているのは非常に体に悪いということから、立ってパソコンを操作できるようなデスクのことですね。

座りっぱなしの社員の健康を考えてオフィスに導入しているという企業も多く、普通のデスクのように使えたり、そのデスクがそのまま上にスライドし、立った姿勢で使えたりするものも人気を集めています。また、海外でも立って働くスタイルは普及しつつあるようです。北欧では既に当たり前のワークスタイルになっていて、近年ではヨーロッパやアメリカにも急速で広まっているそうです。

実際にアメリカでは、あるビジネスライターが「過度な座りすぎの健康被害は喫煙に匹敵する」と発表した影響で、グーグルやフェイスブックといったシリコンバレーの企業を中心に従来のデスクをスタンディングデスクに置き換えるなどの動きが見られているようですよ。

まとめ

立ち仕事よりも健康に関するリスクが低いと思われがちな座り仕事ですが、決してそんなことはありません。座っているだけだからと軽く考えずに、適度に休息を取って体を休めることが大切です。座り方は習慣になりやすいため、気付けばいつもの姿勢になってしまうこともありますが、まずは少しずつ意識し日常生活に軽い動作を取り入れることで、取り返しのつかない病気にならないように気を付けましょう。