オフィスにおいて、OA床は必須のものです。何故ならOA機器をはじめとして、パソコンやインターネットなどの配線をつなぐ際、そのスペースを確保するために必須となるからです。そのため、OA床の種類を知り、そのメリットを把握することで、今後のオフィス作りにも活かしていくことができるでしょう。

そこで今回の記事では、OA床にどのような種類があるのかをご紹介するとともに、そのメリットや導入の際の選び方についてご説明していきます。

オフィスにおけるOA床とは

OA床とは、オフィスの床全面に、パネルあるいはブロックなどで新たなフロアを設け、その内部を配線スペースとしたものです。床は、鉄筋コンクリート造などの「構造躯体の床」と「OA床」の二重床となり、人の歩く仕上げ面はOA床が担います。OA床は、現在のようにインターネットが一般化する以前から、OA機器といった事務機器の設置のために求められていました。その頃はまだ、床の一部をピットとするか、床に直接這わせてモールでカバーして済ませていました。

しかし、その後パソコンが一般のオフィスに普及するようになると、OA機器をはじめ、パソコンやインターネット回線をつなげる必要があることから、配線のためのスペースは部屋全体に及ぶようになりました。そのため、OA床を用いた床全体を二重床とする方法が広く普及しました。

OA床設置のメリットとは

OA床を設置することのメリットは、OA機器やパソコン、インターネットなどの配線の数が増えても設置が容易となることです。もし、床が従来のままだったら、コードが床にあふれ、通行する際に引っかかる可能性がありますよね。

これに対して、床の一部に配線のためのピットを設ける方法もありますが、現代のOA機器はバージョンアップなどの期間が早く、頻繁に機種変更がされます。そのような時、一定の場所に設置されたピットでは対応が難しいため、オフィス全面をOA床にしておいた方が、メリットが大きいと言えるでしょう。

このようにメリットの大きいOA床ですが、デメリットがないわけではありません。OA床は設置後にレイアウトを変更することになってしまうと、床全体を剥がさないといけないこともあり、レイアウトの変更がしづらい場合があります。OA床の導入を検討している事業主の方はこの点はあらかじめ認識しておくとよいでしょう。

様々な種類のOA床とその選び方

OA床には様々な種類があります。まず、タイプ別に分類すると「支柱を立てた上にパネルを敷くタイプ」と「支えとパネルが一体化したタイプ」の2つに分けられます。なお、内部が配線スペースとなっている点は変わりがありません。

また、大きさは60㎝角のものが主流となっています。高さは数センチから数十センチのものまで様々あり、導入の際は配線の多さや点検のしやすさにより決まります。他にも、最後の仕上げで「カーペットタイルを敷きこむ方法」と「塩ビシートを張る方法」があります。

新築時にすでにOA床が設置されている場合は問題ありませんが、既存の床に新たな床を設置する場合は、床の高低といったレベル差に注意が必要です。通常は二重床とする部屋にはスロープを設けるなどし、段差を解消する方法が用いられます。どのようなOA床を採用するか決定する際には、配線類の増加を見越して、余裕のあるスペースを確保することが大切になります。

まとめ

ITの進化にともない、今後もオフィス内の配線類は増加していくでしょう。それにより、OA床のニーズは更に高まるはずです。このような時勢に対応していくため、オフィスを作る際には二重床の設置を始めから想定しておくことが大切ですね。ちなみに、最近では最初からOA床を導入しているビルも増えてきています。

二重床にしておくと、配線に関する悩みが解消されますので、新たなOA機器やパソコンなどの導入も積極的になり、オフィスの現代化が一段と進みます。OA床のタイプや仕上げの方法は一つではありませんので、適切なタイプを選択し、使いやすいオフィスの実現を目指していきましょう。