仕事を行う上で多くのメリットを受けられる環境として、最近では「ユニバーサルレイアウト」が注目されていますよね。しかし、これまでそのようなレイアウトを積極的に取り入れようとする経営者は多くありませんでした。なぜかというと、日本では島型といわれるレイアウトが主流であり、それが最も効率的であると信じられていたからです。

実は海外のオフィスでは、島型のレイアウトは主流ではありません。特に近年、ビジネスのグローバル化が進むにつれ、日本でも島型以外のレイアウトを積極的に取り入れるケースが増えてきているのはご存じでしょうか?

今回の記事では「ユニバーサルレイアウトがどういうレイアウトかよく分からない」という人にもわかりやすいように、ユニバーサルレイアウトのメリットとデメリットについてご説明します。みなさんの企業でも導入をするべきかどうかを考えていただく材料にしていただければと思います。

ユニバーサルレイアウトって何?

ユニバーサルレイアウトとは、組織の事情に影響を受けることなく、デスクやOA機器などを均一に配置するレイアウトのことです。役職者などを考慮した席を設けず、基本的には横一線にデスクを並べます。そのため、伝統的な日本のオフィスより、専門学校の教室などのレイアウトに近くなります。

具体的な並べ方は、経営者の方針やオフィスの広さなどによって異なり、ある程度は島型のレイアウトが持つ要素を取り入れているケースも見受けられます。根本にあるのは、部門ではなく人を企業の中心的な構成要素であると考えていることです。席を固定しないことで、柔軟性を高めていく目的があります。

ユニバーサルレイアウトのメリット

まずメリットの一つとして挙げられるのは効率がとても良いことです。デスクの仕様が均一なので、組織変更があった場合でもレイアウトを大幅に変える必要がありません。従業員が移動するだけなので負担も少なく、多くの場合、書類や身の回りの物を移動させるだけで事足りるのです。

他にも、組織変更を気兼ねなく行えること、従業員の増減に柔軟に対応できることも大きなメリットとなります。これにより、新入社員が入って席が足りなくなっても、同じ仕様のデスクを追加するだけで構いません。さらにレイアウトが規則的に整然とするので、通路が明確になりやすく、動線も確保しやすくなるので、作業効率が上がることも期待できます。

ユニバーサルレイアウトのデメリット

デメリットはレイアウトに自由度が無く、変更がきかないことです。ユニバーサルレイアウトのオフィスにはデスクを移動させる概念がありません。そのため、チームとして同じ業務に取り組む場合、不便を感じることがあるのです。島型のような対面式のレイアウトであれば、迅速に意思の疎通や共同作業を行えます。また、多少の打ち合わせであれば、会議室に移動する必要もありません。

しかし、ユニバーサルレイアウトは、少し話すだけでも相手の席に行く必要があります。またチームとしての一体感が生まれにくいこともデメリットとして挙げられます。コミュニケーションが少なくなるので、親睦を深めるのが難しく、チームとしてまとまりにくいケースがあります。

まとめ

今回紹介したように、ユニバーサルレイアウトにはメリットとデメリットがあります。上手く取り入れることで、従業員の快適性や事業の生産性を向上させられるでしょう。しかし、メリットだけでなく、デメリットがあることも把握しておくことが大切です。そのうえで対策をしっかり考えておくと、さらなる効果が期待できます。

例えば、コミュニケーションの取りづらさに対しては、チャット用のアプリケーションを導入する方法などが考えられます。現代のビジネスシーンは変化のペースが速く、従来の日本のオフィスでは、変化についていけない可能性があると言われています。ユニバーサルレイアウトを取り入れて、変化に対応できる力を社内に持たせてみてはいかがでしょうか。