近年、ヨーロッパでは立って仕事を行う「スタンディングワーク」が普及してきています。日本ではあまり馴染みがないワークスタイルかもしれませんが、実は最近では、国内の企業でも立って仕事を行うスタイルを取り入れているところが増えてきているんです。

「そもそもスタンディングワークって何?」と思われている方もご安心ください。今回の記事では、そもそもスタンディングワークって何?というところから、スタンディングワークの魅力や、導入する際の注意点をご紹介していきたいと思います。

スタンディングワークって何?

スタンディングワークとは、立って仕事を行うスタイルのことを指します。たとえば今までは、事務作業やPCを使った作業は座って取り組んでいましたよね。しかし、スタンディングワークは、その作業を立ってでもできるようにします。そのため、デスクには昇降できる機能がついていることがほとんどで、自由に座ったり立ったりしてパソコン作業ができるようになっています。

一部の研究によると、北ヨーロッパにあるデンマークとスウェーデンでは、すでに95%浸透しているワークスタイルと言われています。なお、今ではヨーロッパ全体、アメリカにも普及し始めていると言われています。

特にアメリカでは、「座りすぎ」によって死亡リスクが高まるという報告が数多くなされていて、6時間以上座り続けている人は、座っている時間が3時間未満の人に比べて、女性で34%、男性で17%ほど死亡リスクが高まると言われています。

そのため、グーグルやフェイスブックなど、シリコンバレーの企業も積極的にスタンディングワークを導入しています。このように、海外ではすでに当たり前になってきているワークスタイルがスタンディングワークなのです。

スタンディングワークの魅力とは

スタンディングワークのことを認識したところで、気になるのは「立って仕事をするといったい何がどうなるの?」ということですよね。そんなあなたのために、スタンディングワークにはどんな魅力があるのかをご紹介していきたいと思います。

まず大きな特徴でもあり魅力になるのが、健康を損なうリスクが低下することです。立つことはつらいことだと思われがちですが、実は一部の研究によると、定期的に姿勢を変えることで体にかかる負荷を軽減することができ、むくみや疲労の抑制、姿勢改善につながると言われています。また、眠気防止にもなりますので、集中力が増し「仕事の生産性も上がった」という報告も数多くされています。

このようなメリットがあるため、今では世界各地でスタンディングワークの導入が進んでいるようです。ただ、「立ちすぎもよくない」ということも言われているので、「座り」と「立ち」はバランスよく交互に行うことがベストであると言えるでしょう。

スタンディングワークを導入する際の注意点

スタンディングワークを実施することで、さまざまなメリットを得ることができます。一方で、実際に導入する際には注意しなければならないところもありますので、その点をここでご説明していきますね。

さきほどもお話ししましたが、スタンディングワークは、座りながらでも立ちながらでも仕事を行なえるようにするため、昇降機能をつけた専用のデスクを設置します。ただ、基本的に昇降は電動で行なわれますので、PC本体や電源のケーブルが短いと、デスクを上げている時に電源が抜けたり、PC本体が落ちてしまったりすることが考えられます。そのため、専用のデスクを設置する際は、あらかじめケーブルの長さに気をつけておくといいでしょう。

また、実際に立って仕事をしている時の姿勢にも注意が必要です。間違った姿勢だと首を痛めたり、肩こりにつながったりしてしまいますので、正しい姿勢を意識することが大切になります。正しい姿勢とは、顔はモニターと平行で、腕は机にちょうど乗せられる程度が理想だと言われています。

中には、立って仕事を行なうことで身体的に非常に強い苦痛を感じる方もいると思いますので、スタンディングワークを導入したからといって社員に強制するようなことはしないようにしましょう。

まとめ

スタンディングワークを導入することは、死亡リスクを抑制したり、仕事の生産性を上げたりすることにつながるようです。このようなメリットがあるため、海外ではすでに多くの企業が導入しています。

ただ、スタンディングワークを導入する際には、注意しなければならない点もあります。これから取り入れるようと考えている方は、そこをしっかり認識した上で導入していくことをおすすめします。