働きやすい環境作りを考えるとき、音漏れのリスクを外すことはできません。

防音対策をする目的として、業務に支障をきたすような雑音を防ぐことはもちろん、聞かれてはいけない機密情報が漏れてしまうことを防ぐためにも非常に重要な役割をもちます。

この記事では、オフィスで音が発生する原因や種類を知ったうえで、有効な防音対策を具体的に紹介していきます。


オフィスの防音対策をする前に

防音対策を考える前に、オフィスで発生しやすい音の原因や種類を知っておく必要があります。オフィスで最も発生しやすい音とは、話し声です。例えば、会議やミーティングなどの大人数のものをイメージする人も多いかもしれません。

しかし、商談や打ち合わせといった少人数での話し声もオフィスでは気になりやすいものです。電話での話し声も、意外に聞こえやすいといえるでしょう。これらの音については、発している本人たちも漏れていないか気にするケースは多いのではないでしょうか。

話し声の次に多いのは、椅子を引く音やパソコンのキーボードをたたく音、足音などです。

こうした音が気になるのは、「オフィスの壁そのものが薄い」「間仕切りがされていない」ということが原因としてあげられます。また、隣席が近い場合やオフィスに適していない床材が使われている場合も気になりやすいといえるでしょう。

オフィスで最優先に防音対策するべき場所は?

続いて、オフィスで防音対策をするべき場所の優先順位を説明していきます。

①役員室

最優先するのは、役員室です。役員室では、会社にとって重要な話をすることが多く、外に音が漏れることは好ましくありません。また、会社の代表に落ち着いて執務にあたってもらうためにも、外からの音をできるだけ遮ることが理想的です。

②会議室

会議室は、会社の方向性に関わるような重要な話をすることが多く、防音対策に力を入れておきたい場所です。

例えば、新商品についての企画会議や会社をあげて取り組むような重要プロジェクトの会議で話した内容も、音漏れによって情報が外部に漏れてしまう危険性があります。機密情報を守るうえでも、特に対策しておくべき場所といえるでしょう。

③応接室

応接室は、会社にとって大切な来客者を通す場所です。周囲の音が入ってくる状態では、落ち着いて話せない環境になってしまいます。また、来客者と話す内容も、外部に漏れることは避けたいものです。

④執務室

執務室は、社員一人ひとりが自分の業務に集中できるよう働きやすい環境作りが求められます。そのためには、できるだけ外の雑音が気にならないよう窓や壁、天井にも防音対策が必要です。役員室や会議室のように重要な話をする頻度は少ないものの、社員同士の会話や電話でのやりとりが外に漏れることも好ましくありません。

音漏れを防ぐオフィスの防音対策

実際に、オフィスの音漏れを防ぐためには、どのような防音対策をしたらいいのでしょうか。大規模な工事をしなくても、オフィスの防音効果を上げる方法はあります。ここでは、具体的に4つの方法を紹介します。

■吸音パネルを活用する

まずは、「吸音パネル」の活用です。吸音性の高いパネルをパーテーションにし、空間を仕切っていきます。これは、一つのフロアをいくつかの部署で使用しているようなときに便利な方法です。

■電話ブースを活用する

電話が多い場合は、「電話ブース」を設けることも選択肢の一つです。電話専用の空間を用意しておけば、個人の携帯電話使用時に利用することができます。第三者に聞かれたくない内容でも安心で、周囲に話し声で迷惑をかけることもありません。特にここ最近は、Web打合せや集中業務での遮音が求められています。

■サウンドマスキングを活用する

「サウンドマスキング」も、工事をせずに可能な防音対策の一つ。「サウンドマスキング」とは、周波数を利用したもので、同じ周波数の音を聞こえにくくすることで音漏れを防ぐものです。具体的には、スピーカーから音を流し、会話の内容がはっきり聞こえないように配慮する方法です。

■防音ガラスを活用する

工事を行う予算や時間が捻出できるような場合は、「防音ガラス」に変えてみるのもいいでしょう。ペアガラスは、断熱効果を目的としたものが一般的です。しかし、防音タイプのものも出ており、建物によってはサッシの交換だけで済む場合もあります。

これらの4つ以外にも、吸音性の高いカーペットを使用するなど、ちょっとした工夫でオフィスの防音対策をすることは可能です。

安全で快適な職場作りは防音対策から!

オフィスの防音対策を適切に行うには、以下の3つがポイントです。

  • 音の種類と原因を把握する
  • 防音対策が必要な場所の優先順位を考える
  • 自社に合った防音対策を選ぶ

音漏れは、種類によって業務に大きな支障をもたらすこともあります。オフィスの防音対策やレイアウトについて相談したいときは、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。