ひとくちに働き方改革といっても、その取り組みの種類は豊富にあります。今回ご紹介するのは、そんな豊富にある取り組みの1つ「ワークシェアリング」について。どのような取り組みなのか興味がある方は、ぜひチェックしてください。

ワークシェアリング

ワークシェアリングとは?

通常、仕事といえば社員一人ひとりがそれぞれの役割のもと、始まりから終わりまでを担当し完結させるものです。それが、組織における働き方として浸透しています。しかし、それでは社員一人ひとりの負担が大きくなってしまう可能性があります。

その負担を軽減し、より効率的かつ生産性のある働き方を行なえるのが「ワークシェアリング」です。ワークシェアリングでは、今まで1人が担っていた仕事を複数人で分けて行ないます。それにより、社員の労働時間を短縮し、負担を減らすことで、業務の効率性・生産性向上を促します。

日本ではあまり浸透していませんが、海外では一部の国や地域で、このワークシェアリングが導入されています。ただ、日本においても昨今、「テレワーク」といった働き方や、「アウトソーシング」などが一般的になってきたことにより、ワークシェアリングが注目を集めるようになってきています。

ワークシェアリングのメリット

ワークシェアリングには、会社側と社員側双方に以下のようなメリットをもたらします。まずは、会社側のメリットを見てみましょう。

✓社員のモチベーション増加

ワークシェアリングでは1つの仕事を複数人の社員で行ないます。それにより、社員一人ひとりの労働時間の短縮が見込まれます。労働時間が短縮することは社員のモチベーション増加のきっかけとなります。それが結果的に生産性の向上をもたらします。

✓雇用を拡大できる

1人あたりの労働時間や労働量が減ると、新たな雇用の創出が期待できます。たとえば、「50名いた社員を30名に減らし、時短労働者を30名雇用する」といったようにすることが可能です。

では続いて、社員側のメリットを確認していきましょう。

✓ワークライフバランスが取れる

ワークシェアリングによって労働時間が減れば、社員は自分の時間を多く持つことができます。家庭のある社員であれば、家族との時間を大切にすることも可能です。このように、プライベートに余裕が生まれるところは、社員側の大きなメリットと言えるでしょう。

ワークシャリングのデメリット

ワークシェアリングにはデメリットも指摘されています。具体的にどのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。

✓経験できる仕事が減る可能性がある

ワークシェアリングを導入すると、社員は仕事の幅を広げることが難しくなります。労働時間や労働量が減れば、そのぶん時間内に取り組めるはずだった仕事は別の人が行なうことになることが多いからです。このように、社内で幅広い知識やスキルを持った人材を育成しにくくなるところは、ワークシェアリングの大きなデメリットと言えます。

✓給与が減少するリスクがある

ワークシェアリングでは社員の労働時間や労働量が減るため、給与が減少してしまう可能性があります。また、雇用を拡大することによって人件費が膨らむことも。実際にワークシェアリングを導入した結果、給与が下がり生活が苦しくなってしまったケースもあるようです。ワークシェアリングを導入する際は、事前にこの部分の対策を検討しておくと良いでしょう。

まとめ

今回はワークシェアリングとはどのような取り組みなのか、メリット・デメリットとともにご紹介してきました。良い面と悪い面があるワークシェアリング。よく考えたうえで導入するか検討してみましょう。