社員の「心の健康状態」は、会社のさらなる成長を目指すうえで見過ごせない要素となります。経営者の方のなかには今、社員のメンタルヘルス対策に取り組もうとしている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、社員のメンタルヘルス対策のために職場でやるべきことについてご紹介します。

社員のメンタルヘルス

そもそもメンタルヘルスとは

メンタルヘルスとは、「心の健康状態」のこと指します。社員が精神的に健康で心が充実していれば、その職場ではメンタルヘルスは良好と言えます。一方、社員の心が健康的ではない場合は、メンタルヘルスは不良となります。

社員のメンタルヘルスは職場環境に左右されやすく、ストレスや疲労が溜まっていくことで悪化していきます。そのため、会社のなかには極度のストレスや疲労を与えない職場環境を構築するなどし、社員のメンタルケアに力を入れています。

社員がメンタルヘルス不良になることのデメリット

✓生産性の低下

会社にとって社員の生産性向上は、さらなる成長を目指すうえで重要な要素と言えます。しかし、メンタルヘルス不良になると社員は必然的に、仕事に対するモチベーションや集中力を失ってしまうでしょう。それが、生産性低下の原因となります。

また、心身が不良になることで、朝起きられなくなるなどし、遅刻や欠勤が増え、最終的に離職につながってしまうリスクもあります。

✓安全性の低下

メンタルヘルス不良によって社員の集中力が低下すると、注意力も散漫となります。注意力が減るということは、そのぶん事故やトラブルのリスクが高くなります。

たとえば、大規模な機械を扱っている職場であれば、社員の生命に関わるような事故が起こるかもしれません。また、そのリスクは社員だけでなく、取引先にも及ぼしてしまう可能性があります。

このように社員のメンタルヘルスが不良であると、会社経営にとって甚大なデメリットにつながるおそれがあるのです。

社員のメンタルヘルス対策のために職場でやるべきこと

では、実際に社員のメンタルヘルス対策のために職場でやるべきことを見ていきましょう。

✓人間関係の改善

ストレスが蓄積する大きな原因は人間関係です。社員同士がぎくしゃくした職場では、ストレスが溜まりやすく、精神状態が悪くなる社員が増える傾向にあります。

そのため、メンタルヘルス対策を行なうならまず、社員同士の人間関係に注意を向け、良好でなさそうであれば、改善に取り組みましょう。

人間関係の改善で有効な方法は、コミュニケーションです。上司・部下の隔てなく、気軽にコミュニケーションを取れる場を設けてみましょう。

✓長時間労働の抑制

過酷な長時間労働は社員のメンタルに悪影響を及ぼします。これが常態化している環境であれば、改善に取り組んでみましょう。

業種によっては難しい場合もあるかもしれませんが、社員一人ひとりの適正な業務時間は、労働条件や職場環境を見直すことで整えられるはずです。

✓相談窓口の設置

職場内に心身に関する相談ができる場を設けることもメンタルヘルス対策で取り組んでおきたいことです。産業医に常駐してもらったり、カウンセラーを派遣してもらったりし、社員が気軽に心身の不調を相談できる窓口を構築しましょう。相談窓口には、ストレスの蓄積による精神状態の悪化を未然に防げる効果も期待できます。

✓経営者が積極的に取り組む

メンタルヘルス対策は、社内の一部の社員が取り組んでもなかなか浸透しません。しかし、経営者自らが積極的に取り組むことで、末端の社員までメンタルヘルス対策の意識を浸透させやすくなります。職場全体にメンタルヘルス対策の考えが深まれば、社員がメンタルヘルス不良になるリスクも抑えられるはずです。

まとめ

社員のメンタルヘルス不良は、社員自身はもちろん会社、場合によっては取引先にまで悪影響を及ぼす可能性があります。より良い職場環境を構築し、会社のさらなる成長を実現するためにも、経営者の方は今回ご紹介してきたことを参考にしながら社員のメンタルヘルス対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。