オフィスデザインのなかでも後回しにされがちなのが天井です。しかし、オフィスデザインを行なうときは天井の素材にもこだわることで、よりオフィスを洗練させることができます。今回は、オフィスで使われることが多い天井の種類と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

オフィス天井の種類

オフィスで導入されることが多い天井とそれぞれのメリット・デメリット

オフィスで使われることが多い天井の種類を、メリット・デメリットとともに見ていきましょう。

✓グリッドシステム天井

グリッドシステム天井は、格子状に組まれた天井のことを指します。天井に設置する照明器具やパネルなどを部分的に交換できるという特徴があります。オフィスのレイアウトを変更するときは、同時に天井設備を一新することも多いはず。グリッドシステム天井なら、そのとき容易に配置換えができるというメリットがあります。

ただ、この種類には「吸音性が低い」というデメリットも。また、地震が起きたときに、天井に設置していたパネルが落下してしまうというリスクもあります。最近では、大きな揺れに強い種類も普及しているので、グリッドシステム天井にする際はそれを選ぶと良いでしょう。

✓岩綿吸音板貼り天井

岩綿吸音板貼り天井は、主に岩綿(ロックウール)を原料としている天井です。表面を板状に整えているところに特徴があります。吸音性が高く、断熱性や防火性にも優れているというメリットがあります。このような安全性の高さにより、仕事をするのに適した環境をつくりやすい天井として知られています。

その一方で、直張を行なう場合、ビスを使う必要があるため、完成後の見た目があまりよくないというデメリットもあります。また、「工事の手間がかかる」という点も考慮しなければなりません。

✓ライン型システム天井

ライン型システム天井は、天井設備と天井仕上げ材を一体化させた天井のことです。スピーカーや照明、スプリンクラー、火災報知器、排煙口、空調吹き出し口などの天井設備が天井仕上げ材に組み込まれます。

この天井のメリットとしては、天井設備の位置を変えやすいという点です。大がかりなレイアウト変更で必要となる設備の移動も比較的、容易に行なうことができます。また、費用がそれほど大きくならない点も、このライン型システム天井の魅力と言えます。

ただ、ライン型システム天井の場合、あらかじめ照明の方向が決まっているため設置後、向きを変えることはできないというデメリットがあります。また、地震が起きたときに、グリッドシステム天井より大きなパネルが落下してくる可能性も捨てきれません。

✓化粧石膏ボード貼り天井

通常の石膏ボードの場合、仕上げで壁紙を貼ることになります。しかし、化粧石膏ボードの場合、すでに表面処理が施されているため、そのまま天井に貼ることができます。これにより、作業工程を少なくして、コストダウンにつながるというメリットを得られます。また、吸音性に優れているという点もメリットとして挙げられます。

ただ、天井を留めておくためのビスが見えたり、ほかの天井より目地が目立ったりして、見た目の美しさを保ちにくいというデメリットがあります。

オフィスで使われることが多い主な天井には、以上の種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを踏まえたうえで、あなたの会社にぴったりの天井を選んでいきましょう。ただし、テナントビルの場合はビルの仕様や規格などもあり、変更にはかなりコストがかかる場合もあるので、事前にビル管理会社と打ち合わせが必要です。

まとめ

今回は、オフィスで使用されることが多い天井の種類と、それぞれのメリット・デメリットをご紹介してきました。オフィス環境は天井1つでガラッと変わります。より良いオフィスをつくるためにも、天井にはこだわってみてはいかがでしょうか。