会社経営の概念として、近年注目を集めているのが「ウェルビーイング」です。今回の記事は、ウェルビーイングの概要からメリットまでご紹介していきます。ウェルビーイングがどのような概念なのか気になる方はぜひチェックしておきましょう。

ウェルビーイングとは

ウェルビーイングとは?

ウェルビーイングは、「良好な状態」のことを指します。具体的に言うと、個人の権利や自己実現が保たれ、精神的、身体的、社会的に健康な状態で、満足した生活を送れることを言います。ウェルビーイングという言葉は、「幸福な状態」と訳されることもあります。精神的にも、身体的にも、社会的にも良好な状態は、すなわち幸福であると言い換えることができるというわけです。

ウェルビーイングが注目されるようになった背景

✓社員一人ひとりの生産性を高める必要が出てきた

近年、人手不足の影響により、今の社員の生産性や創造性を向上させることを課題とする会社が増えてきています。そして、そのとき有効な方法とされているのがウェルビーイングです。

ある研究によると、幸福度が高い社員は幸福度が低い社員に比べて、生産性が1.3倍、創造性が3倍高くなるということが示されました。このことが、ウェルビーイングが注目されるようになった背景の1つと言えます。

✓国によって健康経営が推進されるようになった

今現在、国は「健康経営優良法人認定制度」を導入しています。これは、健康経営に取り組む会社のなかでも、特に優良な健康経営を実践している会社に対しておくる認定制度です。会社からすれば、国から優良な法人であることを認めてもらえれば、社会的な信用度が増し、人材採用のシーンなどで有利になります。

そのため今、多くの会社が健康経営に力を入れ始めています。そして、この健康経営を実践するうえで、精神的、身体的、社会的に良好な状態を実現するウェルビーイングは欠かせません。このような国による健康経営の推進も、ウェルビーイングに注目が集まるきっかけの1つと言えるでしょう。

ウェルビーイングのメリットとは?

ウェルビーイングは会社だけでなく、社員にもメリットをもたらします。具体的にどのようなメリットなのか、主なものをご紹介していきます。

✓心身が良好な状態を維持できる

いわゆるブラック企業と言われるような劣悪な職場環境は、社員にマイナスな影響しか与えません。しかし、心身が良好な状態を保てる職場なら、社員にプラスな影響を与えることができます。それにより、モチベーション向上や離職率低下を期待できるようになります。

✓自分の心身状態を把握できる

ウェルビーイングを導入する際は、社員が今、どのような状態であるのかを測定するシステムを取り入れることが多いです。社員側からすれば、その測定を通じて、自分がどのような状態であるのかを把握することができます。今まで気づかなかったストレスの原因や、モチベーション向上のきっかけがわかれば、自分で対策していくことも難しくないでしょう。ここは、ウェルビーイングならではのメリットと言えます。

✓社員同士の関係改善が期待できる

オフィスにおけるストレスの主な原因は、人間関係だと考えられています。つまり、ウェルビーイングを実現するためには、人間関係を良好にする必要があるのです。今までは、社員同士の関係改善にスポットが当たることはありませんでした。しかし、ウェルビーイングを実現すれば、会社として社員同士の関係改善に取り組めて、社員側からすれば良好な人間関係を構築できることにつながります。

まとめ

今回はウェルビーイングの概要とメリットについてご紹介してきました。より良い組織をつくるうえでウェルビーイングは不可欠な考え方と言えます。社員が精神的、身体的、社会的に満足できる環境づくりを意識しながら、会社経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。