2018年6月27日に東京都で「受動喫煙防止条例案」が可決されました。これにより、今後タバコを吸う場所が大きく制限されることになります。そして、業種によってはレイアウトを変更しなければならないケースもあります。今回は、そんな受動喫煙防止条例のことや、それにともなってレイアウトを見直す必要性があることについてご紹介していきます。

会社のレイアウトも見直す必要が?!受動喫煙防止条例のあれこれ

そもそも受動喫煙防止条例とは?

受動喫煙防止条例を簡単に説明すると、この言葉の通り「受動喫煙を防止する目的で定められた条例」のことを言います。受動喫煙が及ぼす健康への影響が大きいことが、この条例が定められた主な理由として挙げられます。受動喫煙防止条例では、基本的に不特定多数の人たちが利用する施設などでタバコを吸うことが禁止されています。

東京都が定めた受動喫煙防止条例の規制内容について

そして今回、東京都で可決された受動喫煙防止条例では、以下の施設でタバコを吸うことが規制されます。

・幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校
内容:敷地内は禁煙(屋外喫煙所の設置も基本的にできない)

・児童福祉施設や医療機関、行政機関、大学
内容:敷地内は禁煙(屋外喫煙所の設置はできる)

・老人福祉施設や運動施設、ホテルなど不特定多数の人たちが利用する施設
内容:敷地内は禁煙(喫煙室の設置はできる)

・飲食店
内容:店内は禁煙(喫煙室の設置はできる)

・従業員のいない飲食店
内容:施設の管理者が禁煙or喫煙を選択できる。また喫煙の場合、店内全てor一部を喫煙スペースとするか選択できる。

・タバコ販売店やシガーバーなど喫煙を目的にしている施設
内容:喫煙できる

・タクシーやバス、航空機
内容:車内は禁煙(喫煙室の設置もできない)

・鉄道や船
内容:車内は禁煙(喫煙室の設置はできる)

・ホテルや旅館の客室、家の部屋
内容:喫煙できる

この規制は、2018年6月現在で国が定めている条例よりも厳しく設定されています。このことからも東京都が今後、受動喫煙に関する対応に注力していくことがうかがい知れますね。

受動喫煙防止条例によってレイアウトを見直す必要性とは?

前項のように今回、東京都が定めた受動喫煙防止条例は国よりも厳しいものです。そのため業種によっては、レイアウトを変更しなければならないケースもあります。というのも、現状の施設などが今回定められた条例に反している可能性があるためです。

たとえば、今まで店内すべてを喫煙可能にしていた飲食店であれば、条例によって店内を禁煙にして、必要に応じて喫煙所を設けなければなりません。また、今まで屋外喫煙所を設置していた高校などの教育施設は、基本的にはそれを閉鎖する必要があります。

オフィスに関しての規制は今のところありませんが(ビル内の規制は別)、こういった状況からオフィス内禁煙や、完全分煙の風潮が広まっていくでしょう。

そうしたときに取り組まなければならないのが、レイアウトの変更というわけです。東京都は2020年の春を目処に段階的に受動喫煙防止条例を適用していくようですので、まだ対処していない経営者の方は、ぜひこの機会にレイアウトの見直しを検討してみてください。

ちなみに受動喫煙防止条例にともなって喫煙室などを設置する場合、条件によっては厚生労働省の「受動喫煙防止対策助成金」を利用することができます。

厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金」について見てみる

レイアウトの見直しで喫煙室を設置するときは、この助成金を活用してみても良いでしょう。

まとめ

今回の記事では、受動喫煙防止条例のこと、それにともなってレイアウトの変更を行なう必要があることについてご紹介してきました。最近では、この条例に限らず喫煙場所を制限する会社も増えてきています。

今まで喫煙可能であった飲食店などで、いきなり全面禁煙にすることは抵抗があるかもしれませんが、店内に喫煙室を設けるなどして対処する方法もありますので、積極的にレイアウトの見直しに取り組んでみてはいかがでしょうか。