今の時代、基本的に会社携帯にはGPS機能がついています。そのため、社員を管理する目的で、GPSを活用している経営者の方は多いのではありませんか?

しかし、GPSの使い方によっては、プライバシーの侵害にあたる可能性もあります。今回は、会社携帯のGPSを利用するときの注意点についてご紹介していきます。

GPSの注意点

会社携帯で社員を監視するのはダメ?

会社携帯のGPSで社員の居場所を把握し、業務改善に活かす。そうした管理が本来、会社携帯についているGPSの使い方です。

しかし、その管理が社員のプライベートにまで及んでしまうと、プライバシーの侵害にあたる可能性が高くなります。たとえば、業務時間外にもかかわらずGPSで社員の居場所を監視することは、プライバシーを侵していると言えます。

また、GPSをずっとONにしておくことを社員に強制することも、このリスクを高めることになります。GPSをONのままにしておくと、その範囲がプライベートにまで及び、「プライバシーの侵害なのでは?」と社員が感じてしまうからです。最悪の場合、それによって訴訟につながることもありえます。

会社携帯のGPSを使って社員を監視することは、必ずしもNGというわけではありませんが、それは目的や使い方次第です。

もし、プライバシーを侵害している、ということが認められると、高額な賠償金を支払わなければなりませんので、GPSを用いるときは細心の注意を払う必要があります。

では、具体的にどのようなところに注意すれば良いのか、次の項目で見てみましょう。

会社携帯のGPSを導入するときの注意点

GPSを活用するときには以下のポイントに注意しましょう。

1.事前にGPSを使う目的を伝えておく

GPSを活用するときは、あらかじめ社員にその目的を伝えておくようにしましょう。事前にGPSが導入する目的を社員に理解してもらっていると、問題が起こるリスクを抑えられるからです。

たとえば、「勤怠管理のため」、「運行管理のため」というようなことを社員に伝えられると良いでしょう。

2.業務時間外はGPSをOFFにすることを徹底させる

「業務時間中はON」、「業務時間外はOFF」と、GPSを切り替えるタイミングを社員に知らせておくことも大切です。これにより、GPSはあくまで業務時間中に使うものでプライベートまでは監視しない、ということを伝えられるからです。

また、最近ではネットワークに不正アクセスされることで、会社にとって大事な資産(取引先やお客様の情報)が流出する被害も多くなっています。GPSをOFFにしておくことは、こうした被害を予防することにもつながりますので、ぜひ徹底させるようにしましょう。

GPSによって、社員が会社に対して悪いイメージを持ってしまっては、業務のモチベーションに影響を与えます。これは、社員側からすると自分が信頼されていないような気分になり、業務に取り組む姿勢が悪くなるかもしれないからです。

特に営業は外出の頻度が高いため、四六時中監視されている気分になるかもしれません。たしかにGPSを活用することのメリットは大きいですが、実際に導入するときにはくれぐれも社員からのイメージを損なわないようにしましょう。

まとめ

今回は会社携帯のGPSを業務に導入することの注意点をご紹介してきました。会社にとっては大きなメリットをもたらしてくれるGPSですが、社員にとってはあまり気持ちの良いものではありません。そのため、使い方を誤ってしまうと、訴訟のリスクを高めることになります。

しかし、導入の目的を事前に伝えたり、正しい使い方を徹底したりすることで、そうした問題が起こるリスクを抑えて、有効に活用することもできます。何の問題もなくスムーズに導入し活用していくためにも、ぜひこの記事でご紹介してきた注意点はしっかり頭のなかに入れておくことをオススメします。